公演レポート

11月29日(土)『ひなたやま狂言会2025』

11月29日(土)桜美林芸術文化ホールのストーンズホールにて、ひなたやま狂言会を開催しました。

 

出演:野村万之丞、野村拳之介、野村眞之介、河野佑紀、石井康太

 

本学で講師を務める野村万之丞氏を迎え、昨年に続き2回目の開催となる「ひなたやま狂言会」。能楽とともに神様へ奉納する神事として継承されてきた狂言ですが、名もなき庶民の人間模様を面白おかしく描いた演目が多く、いわゆるお笑い・コントといったところでしょうか。
冒頭では野村万之丞氏から、舞台背景の松羽目(まつばめ)についての説明や、狂言観劇のポイントを即興狂言で解説いただきました。伝統芸能でありながらも親しみやすく、我々にとって身近な芸能であることをお伝えいただくと、会場の雰囲気もほぐれ、皆さん安心して次に始まる演目鑑賞の準備がととのったようです。
解説の最後には狂言流の笑いを会場のみなさんと一緒に、大きな声でひと笑い!声を出して笑う事って本当に楽しいことですね。

ひと笑いした後は、いよいよ狂言「因幡堂(いなばどう)」が始まります。
大酒呑みの妻に辟易した夫が離縁を突き付け、新しい妻に出会わせてください、と神様にお祈りするお話です。夫を河野佑紀さん、妻を石井康太さんが演じます。
現代にありそうな、時代を経ても変わらない人間味あふれるストーリーに会場の皆さんも感情移入していただけたのでしょうか、身勝手ながらも憎めない夫婦のやりとりに、笑いの絶えない舞台となりました。

休憩をはさみ、第二部では「蝸牛(かたつむり)」を披露。長寿の薬である蝸牛を探してこい、と命じられた太郎冠者ですが、蝸牛を知らない太郎冠者は、主人から教えてもらった特徴を頼りに藪の中を探すのですが、そこで見つけたのは…?!

いたずら心あふれる山伏を野村万之丞さん、ちょっととぼけた太郎冠者を野村拳之介さん、蝸牛を見つけてこい、と命じた主人を野村眞之介さんと、3兄弟で舞台に登場。

「囃子物(はやしもの)」といって独特のリズムにのって踊る見せ場では、「でんでん むしむし でんでん むっしむし」とうたいながら舞台いっぱいを使ってコミカルに演じる様子に、会場も大盛り上がりでした。

なかなか観劇の機会がなかった方々のために、狂言の魅力をお伝えしていく「ひなたやま狂言会」。(もちろん、足繁く伝統芸能公演に通われている方も大歓迎です!)
ご来場いただいた方からは、「解説付きでわかりやすかった」「演目も楽しいもので親しみがもてた」などのお声をいただき、盛会のうちに幕を閉じました。

ご来場いただいたみなさま、関心をお寄せいただいたみなさま、ありがとうございました!

公演写真:©おおたこうじ

 

<アンケートより抜粋※原文ママ>
・テンポよく聞き取りやすくとても楽しめました!初めての狂言でしたが他の演目をみてみたいなと思いました。
・面白かった。狂言は意外と身軽でわかりやすい
・少し意味がわからないところもあったけどおもしろかった。わらえた。「でんでんむしむし」のところがとてもおもしろい
・狂言のみる方法を説明して頂き気持ちが軽くなり楽しく見ることが出来ました。

桜美林芸術文化ホールでは、豊かな音響で本格的な演奏を堪能できるプロビデンスホール、演劇やパフォーマンスなどを楽しめるストーンズホールと、2つのホールでさまざまな芸術文化に触れるイベントを開催します。今後の開催にぜひご注目ください。

<チケット発売中の公演はコチラ>
◆パイプオルガンとチェロによるNew Year Concert
1月11日(日)14:00開演(13:30受付・開場)
チケット:一般2,000円 学生(6~25歳)1,000円 
会場:プロビデンスホール
※未就学児入場不可

《同日開催》
PandanQuartetロビーコンサート(予約不要・観覧無料)
開演:12:30 
会場:交流プラザ
出演:Pandan Quartet

◆今後のイベントスケジュール◆
詳細はこちらをご覧ください

 

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