【さわれる復刻版浮世絵版画展終了しました!】
2024年8月18日(日)より8月24日(土)まで当館1階の交流プラザにおいて「さわれる復刻版浮世絵版画展『広重のパッションにふれる』」を開催いたしました。
浮世絵版画展に先立ち、8月17日(土)に開催した「目の見えない人とアートをみるためのワークショップ」や「浮世絵プレレクチャー」などの関連企画も合わせ、ご好評いただきました。
今回は視覚障がい者の方にもアートを鑑賞いただけるようにと考えた企画でしたが、実際に浮世絵版画に触り、観ていただけでは分からない凹凸に触れることが出来て嬉しいと喜ばれる方が多く、何度もお越しになる近所の方もいました。また、「江戸時代でも、見えない人は浮世絵を触って楽しんでいたのか?」と晴眼者の方から質問を受け、この関心は「見える人も見えない人も関係なく、一緒にアートを楽しむ」という企画テーマが届いたからと感じられ、万人に向けて良い企画だったと自負しております。
なお今回、当館の学芸員がギャラリートークを行いましたが、お客様から「分かりやすく説明していただき、理解が深まった」「想像がどんどん広がった」などお声をいただきました。
とても印象的だったのは、鑑賞者のたくさんの笑顔が見れたことです。今までわからなかったことがクリアになったり、これまで気付かなかったことや、思いもよらないことを発見された時の笑顔は笑顔を向けられる我々も幸せを感じたほどです。
アートの社会的側面の価値が見事に花開いた7日間でした。
快く貴重な版木を貸してくださり、触るための作品をご用意くださった高橋工房の皆様には、心より感謝しております。
本展では、「触れながら、対話しながら作品を鑑賞する」を大切にしていました。触れて気付くこと、話しながら気付くこと、それらを伝えることなどです。文章だけの解説より、記憶に残る鑑賞体験になっていれば嬉しいです。加えて、微力ながら伝統ある江戸木版画の技術を知っていただく手助けもできたかと思っています。
次は12月7日に視覚に障がいのある方と楽しむ参加型音楽劇「あらしのよるに」を開催します。どうぞよろしくお願いいたします。
「さわれる復刻版浮世絵版画展『広重のパッションにふれる』」展示作品
歌川広重『名所江戸百景』より
- 浅草金龍山
- 隅田川水神の森真崎
- 高田の馬場
- 水道橋駿河臺
- 蓑輪金杉三河し満
- 深川洲崎十万坪
- 真崎邊より水神の森内川関屋の里を見る圖
- 大はしあたけの夕立
- 版木(小判):大はしあたけの夕立
- 亀戸梅屋舗
<アンケートより抜粋>
〇気軽にみられてよかったです。
〇直に手にできるのは最高!
〇版画を触るという体験は初めてで、とても刺激的でした。
〇ただ見るだけでは分からなかった版画の世界を見ることが出来て良かったです。
〇空摺や、きめ出しの技法が、すかしたり、さわったりして、よりわかりました。
〇手に取れる経験がとても貴重でした。
〇さわって光やカゲにすかして見るのが夢でした!
江戸時代のおじょうさんや姉妹に憑依してエア寸劇を楽しんだり、職人に憑依したり、超楽しめました!