公演レポート

8月4日(日)ひなたやま映画上映会『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』

8月4日に映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』を上映しました。

今回いらしたお客様のほとんどが初めて当ホールにお越しくださったお客様で、年齢層もいつもより若かったです。お客様をお迎えした時、「映画見よう♪」といった感じのお客様はなく、「この作品を観たい!」という真剣さを感じました。映画館のような設備はないホールでの上映を楽しんでいただけるか心配しましたが、アンケートから皆さんの満足された様子が見て取れホッとしました。

映画の主人公である全盲の白鳥さんは初めて美術館へ行ったとき、会場の雰囲気が気に入り自分も絵を鑑賞したいと、独自の鑑賞方法を編み出しました。白鳥さんのアートをめぐる旅路や日常を追った映画で、対話が溢れとてもほのぼのした作品です。鑑賞方法を編み出すと、今度は白鳥さん自身が展示される?という面白さもあります。

また、白鳥さんは点字ブロックのない道でも、ガイドヘルパーさん無しで白杖で探りながらずんずんと進んでいきます。その前向きさが観ている我々を元気にしてくれます。

近年、芸術は本質ではなく社会的価値を見出すように期待されているのですが、今回の映画もアートに直結するだけでなく副産物の「生きる力」などを、鑑賞者の皆さんに提供できたと感じました。視覚障がい者の方が4名もいらしてくださったのは嬉しかったです。

◎関連企画!

『見えない人と絵をみるためのワークショップ』

『浮世絵プレレクチャー』

※詳しくはイベント情報をご覧ください。

以下、アンケートより抜粋です。(原文ママ)

︎ ・目が見えなくても自分自身の生き方をしっかり持っていられる方はすばらしい

 

︎ ・本を読んでいたので内容が補完されて良かった。晴眼者にとっては、やはり文字情報だけより、視覚(映像)が有る方がより鮮明(理解が?世界が?)になるなぁと思った。他人の言動が気になる人は自身に余裕がないのだろうな。白鳥さんは自由で余裕有りますよね。だから好かれるのかも。こちらこそありがとうございました。

 

︎ ・全盲の人は色をどうかんじるのか?っていうぎもんに「夕日の赤」ってわかるイメージ、想像の力ってすごい!!全盲で富士山にのぼってしまう、??この方が近くにいます。「すばらしい景色」とおっしゃるのですが、その意味やっとわかりました。すばらしい体験ありがとうございました。多くの人に届きますように!!

 

︎ ・(自分自身が目の病気を抱えており、今はまだ不自由はまるで感じていませんが)10年20年後、もし目が見えなくなっても、楽しく芸術にふれることができたら幸せだなと感じました。

 

︎ ・私は中学校で美術を教えている「目の見えない白鳥さん、アートを見に行く」というタイトルにひかれた。でも内容は想像と違って白鳥さんと周りの人のフラットな関係にとてもひきつけられました。人が美術をみるってどういうことだろう?人と人が関わるってどういうことだろう。幸せや人のあり方って何だろう?疑問がつきない

 

︎ ・芸術が好きでよく観に行くのですが、全盲の方がどう観ているのか?→何か違う方向から観ているのか?→この辺は予想どおりでしたが、シラトリさん、ハチャメチャに強い、老人も遠慮しないで(そうでない人もいるか)強く行かなきゃ。「点字ブロックの上だけあることない、もっと自由に生きたい」ー印象的

 

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