公演レポート

11月8日(土)『ひなたやま落語会』

11月8日(土)桜美林芸術文化ホール初の落語会「ひなたやま落語会」を開催

出演:古今亭菊千代、鈴々舎美馬、桜美林大学落語研究部(午前の部:海亭上海蟹(かいていしゃんはいがに)午後の部:地獄家独眼鉄(じごくやどくがんてつ)

プロの世界で活躍する桜美林大学落語研究部ご出身であるお二人と、現役の落研メンバーが揃い踏み!桜美林スペシャルのメンバーで初の落語会を開催しました。
古今亭菊千代師匠は女性で初の真打になられた方。落語の世界で女性が活躍できる道を切り拓いていった先駆者のおひとりです。鈴々舎美馬さんは、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍中、全国津々浦々たくさんの落語会に引っ張りだこの二つ目の落語家です。

落語会当日は落語研究部創設者の先輩方にも多くご来場いただき、寄席の会場へと様変わりしたストーンズホールにて<午前の部><午後の部>と2回実施しました。
落研の学生は午前・午後の部でそれぞれ前座をつとめ、美馬さん、菊千代師匠へとバトンをつないでいきました。

午前の部、冒頭に登場したのは、桜美林大学3年生、海亭上海蟹(かいていしゃんはいがに)さん。

小さいころから落語好き、笑点を観たり寄席に行ったり楽しんでいるという筋金入りの落語ファンだそうです。お祭りに行く子どもとお父さんを表情豊かに演じ分け、客席いっぱいのお客様にも動じることなく『初天神』を披露し、落語会幕開けのお役目を堂々と果たしました。
午後の部の開口一番をつとめたのは、桜美林大学4年生の地獄家独眼鉄(じごくやどくがんてつ)さん。いかつい屋号ですが、落研に受け継がれてきた屋号で5代目だそうです。初代の地獄家独眼鉄さんと美馬さんが同期だったとのお話に、学生たちは舞台裏で喜びを嚙みしめていました。
ホールによく響く美声で『浮世床』の一場面を披露した4年生の貫録ある高座に、会場のお客様からも大きな拍手が湧きおこりました。

鈴々舎美馬さんは、枕(まくら)として町田キャンパスや淵野辺での思い出を語り、当時の様子で場を和ませてくれました。
午前の部ではちょっととぼけた店子と主人とのコミカルなやり取りの中、店に訪れた客の伝言が見せ場の『金明竹』を。とぼけた小僧と可愛らしい女将で魅せ、関西弁でまくしたてる客人が圧巻の高座でした。午後の部は『転失気(てんしき)』を披露。知ったかぶりの和尚、茶目っ気たっぷりのちんねん君と適当な受け答えをする登場人物たちに、会場は笑いで包まれました。

落語会のトリを飾るのは、女性初の真打、古今亭菊千代師匠です。女性はだめだ、と言われてきた業界だったようですが、現在は真打に昇進されている女性落語家さんも増えたとか。
時代を創った菊千代師匠は、夫婦の人情を巧みに描いた『厩火事(うまやかじ)』と大河ドラマで話題の吉原の女郎のお話、『お見立て』を披露。落語の醍醐味、情景がありありと浮かぶその話芸に、観客のみなさまも虜になった様子。
「午前がおもしろかったから午後も」と2席続けて鑑賞くださるお客様もいらっしゃり、大盛会となりました。

ところで皆さん、「ネタ帳」というのをご存知でしょうか。
落語家さんたちは、当日会場の雰囲気やお客様の様子をみながらお話する内容を決めるそうです。(すごいですよね!)会場でお話したネタが被らないように、ネタ帳を用意してお話した演目を記載いただくのですが、芸文ホールでも新しくネタ帳をつくり、美馬さんが記帳してくださいました!(ひなたやま落語会の題字は当館スタッフの手書きです!)

菊千代師匠、美馬さんが落研にいらした当時はまだ桜美林芸術文化ホールはありませんでしたが、第一線で活躍する卒業生に戻ってきていただき、地域のみなさまにお楽しみいただける公演をお届けできることは本当に貴重な機会です。現役落研のメンバーの中には「来年は私が高座にあがりたい!」と意欲を見せてくれる学生もいて、このネタ帳がいっぱいになるくらい継続して落語会を開催できるように努めてまいります。
皆さま今後ともひなたやま落語会と、桜美林大学の落研をごひいきいただけますよう、改めてお願い申し上げます。

ご来場いただいた皆様、関心をお寄せくださったみなさま、ありがとうございました!!

公演写真:©おおたこうじ

<アンケートより抜粋※原文ママ>
・これまで落語は大好きでYoutubeなどでよく見ていますが寄席となると会場まで遠く、敷居がとても高いです。これまで寄席に行ったことはありませんでした。近くでこんな素晴らしいプロの話芸を堪能でき幸せいっぱいです。ありがとうございました。
・話す、語る、聞かせることの素晴らしさを感じました
・初めてだったのでとても楽しくて聞き入ってしまいました。
・落語身近に感じられまた来たいと思いました
・おもしろくて涙がとまらなかった
・大変楽しい公演でした
・とてもおもしろく聞かせていただきました。2人共桜美林出身の落語家さんとのことびっくりしました。また企画してください。大学祭の時も落研もよかったです

桜美林芸術文化ホールでは、豊かな音響で本格的な演奏を堪能できるプロビデンスホール、演劇やパフォーマンスなどを楽しめるストーンズホールと、2つのホールでさまざまな芸術文化に触れるイベントを開催します。今後の開催にぜひご注目ください。

<チケット発売中の公演はコチラ>
◆ひなたやま狂言会
11月29日(土)14:00開演(13:30受付・開場)
チケット:一般2,000円 学生(6歳から25歳)1,000円
会場:ストーンズホール

◆ひなたやまクリスマスコンサート
12月7日(日)14:00開演(13:00受付・開場)
チケット:小学生以上500円 未就学児入場無料
会場:プロビデンスホール

◆ひなたやまワークショップDAY!
12月20日(土)9:30開場(13:30入場締め切り)
チケット:小学生以上500円 未就学児入場無料 会場:全館

  • 10:00~みんなで大きな窓に絵を描こう!
  • 11:00~12:00 能ことはじめ 『羽衣』ワークショップ
  • 12:15~/13:00~ 小鼓たたいてみよう!
  • 14:00開演(13:30開場)人形劇『稲むらの火』と防災について考えるおまけタイム

※入場される方すべてのお申し込みが必要です。
※各ワークショップの定員に達し次第受付終了

◆今後のイベントスケジュール◆
詳細はこちらをご覧ください

 

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