公演レポート

10月12日(土)「カフカを知り、カフカを聞く」

【カフカ作品の朗読付き講演会を開催しました!】

10月12日(土)にフランツ・カフカの没後100年を記念して「カフカを知り、カフカを聞く」を開催しました。

文学に興味をお持ちの高校生や他県からなど広範囲からお客様がご来場くださり、カフカへの関心の高さがうかがえました。

 

桜美林大学教授の岸田真先生のレクチャーを受けて、その作品を舞台俳優の山崎清介さんが抜粋箇所を朗読してくださったのですが、山崎さんの発声で場面が一気にそこに立ち上がり、まるで演劇公演を観ているような感がありました。今回取り上げた作品は以下の3作品です。

 

『変身』『掟の前で』『アカデミーで報告する』

*使用テキスト:カフカ著 丘沢静也 訳『変身 掟の前で 他2編 』光文社古典新訳文庫、2007年

カフカはチェコに生まれドイツ語で学んだユダヤ人で、父親のような一家の大黒柱的強い父性を発揮することもできず、自分の居場所を常に意識しなければ存在が薄まるような生き難さを常に感じていたマイノリティだったので、同時代性があり、奇想天外で教えが無い作品は演劇性に富んでいます。

皆様も芸術の秋にカフカ作品を一度読んでみてください。また、演劇やダンス作品として上演されることもありますので是非、劇場へ足を運んでください。

 

最後になりましたが、今回の朗読箇所のテキスト使用にご快諾くださいました光文社古典新訳文庫のご担当者様、翻訳の丘沢静也様、後援をいただきました東京チェコセンターに心より感謝申し上げます。

 

次回の主催事業は、11月16日(土)に開催する狂言を体験するワークショップです。和泉流狂言方能楽師の髙澤祐介さんと狂言の所作や小舞などを体験します。60分プログラムで500円です。是非、お気軽にご参加ください。→ イベント詳細

 

以下、アンケートより抜粋です。

〇たいへん興味深いものでした。ありがとうございました。

〇カフカの作品は『変身』だけしか知りませんでした。理解が難しいと言われていたので、今回多少不安はありましたが、岸田さんの説明はシンプルで分かりやすかった。山崎さんの朗読も素晴らしくて『アカデミーで報告する』の朗読では涙が出ました。

〇独力で書籍を手に取った時は、ほとんど読み切れないカフカに一歩近寄った気がします。山崎さんの語りもあって、作品の現代性を強く感じた。本屋に直行します。

〇山崎清介の語りが素晴らしく、舞台を見ているようであった。カフカを知る良き入り口となった。岸田先生の説明も分かりやすかった。

〇朗読の時、目の前にロード・ペーターがいるみたいで迫力がありました。カフカについて詳しく知れたので、とても楽しかったです。

〇若い頃にカフカの『変身』を読んで印象に残っていたので参加しました。改めてカフカ作品を読んでみたいと思いました。

 

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