11/23,24に当館のストーンズホールで「能とアレクサンダーテクニーク」ワークショップを2日間計6時間のやや急ぎ足のプログラム内容で開催しました。
アレクサンダーテクニークとは、「不必要な緊張や無意識の習慣に気づき、やめていく」という心と身体の使い方練習法です。英国王立演劇学校(RADA)やジュリアード音楽院など世界の多くの演劇学校で取り入れられているメソドです。
今回は、このメソドを体験するのに能の美しい姿勢を取り入れると効果的だろうと、講師にアレクサンダーテクニークスタジオ東京の細井史江先生、宝生流シテ方能楽師の金井雄資師と金井賢郎師をお迎えしました。参加者は20代から60代の19人でした。
1日目は、アレクサンダーテクニークの基本原理と実践。椅子に座る、立っている時にどこに不必要な力が入っているか、直接体を触り教えてくださいます。自分の身体に意識が向いたところで、能パートへ。まず始めに能についての簡単なレクチャーの後、能「羽衣」と能「加茂明神」の仕舞をご披露いただくなど、能について何となく知った上で、所作を教えていただきました。
能楽は床を擦って歩く「摺り足」という独特な歩き方をしますが、簡単なようで、少し腰を落とし、頭の位置を変えずに滑るように動くのは、身体の様々な個所を意識しないとスムーズにできません。ただ歩くのが、なかなか難しいものです。他には、さめざめと泣く「しおり」などの所作や天狗の型などの連続した動きも教わりました。なかなか皆さん様になっていて、楽しんで能の所作に取組まれているようでした。
2日目はアレクサンダーテクニークの復習から始まり、能パートでは謡(うたい)を体験しました。能「源氏供養」と能「鶴亀」の一節です。能の謡は鎌倉時代の発音だそうで、「つ」を発音しないそうです。それがなかなか難しかったです。終わりに椅子に座り講師の話を聞くとき、どの方もきれいな姿勢で座られているのが印象的でした。2日間の急ぎ足の講座でしたが、今後も自分の身体との付き合い方や能への興味が継続していくことを願います。
能楽お稽古「古典芸能ことはじめ」は残すところあと1種です。
来年1/11(土)、18(土)、2/1(土)に能「高砂」の謡をお稽古し、発表します。
参加費は一般2,000円、学生1,000円(小学生から25歳)です。是非、お気軽にご参加ください。
「高砂ワークショップ」の詳しい情報はこちらをご覧ください。
<問合せ・申し込み>
桜美林芸術文化ホール
電話:042-739-0071(平日10:00~16:00)
<参加者の感想>
○とても楽しく学ばせていただきました。
○2日間ありがとうございました。身体の使い方も、知らないうちにいろいろと力が入っていることに気づきました。
○素晴らしい、贅沢な時間を過ごさせていただきました。
○広いホールで実際に動いて体験できて良かったです。ありがとうございました。
○はじめて触れる「能」に、とても感動しました!金井先生がとても素敵でファンになりました。
○能ははじめて体験させていただきました。奥深さを感じ、この世を生きる全てがつまった表現であると知り、実際に舞台を拝見させていただきたいと思いました。
○お能やアレクサンダーテクニークを学ぶのは初めてのことでした。とても興味深く、今後も学びたいと思っています。